最低制限価格率アップ

神奈川県中小建設業協会の要望実る

神奈川県中小建設業協会と横浜建設業協会は、神奈川県建設業協会と共同で、神奈川県に最低制限価格率の引き上げなど入札契約制度の改善を求めてきた。このほど要望が実り、「かながわ方式」と呼ばれる新たな最低制限価格率が決まった。平成25年11月1日以降に入札公告する工事から適用される。要望と回答は次のとおり。

【要望】
付議年月 25.6.17
件名/最低制限価格率の更なる引き上げについての陳情
付議委員会/建設常任委員会
陳情者/神奈川県中小建設業協会
    (一社)横浜建設業協会
    (一社)神奈川県建設業協会

神奈川県の最低制限価格率の算定は、直接工事費などに一定の算入率を乗じることで、予定価格の80%~90%に設定されています。

この算定式は、国の低入札価格調査基準価格率とは異なる神奈川県独自の算入率であり、これまでは、小規模工事では、神奈川県の算入率による方が国の算入率を用いるよりも高い最低制限価格率となっておりました。

しかしながら、平成25年5月に国が一般管理費等の項目の算入率を見直し、0.30から0.55まで引き上げることとなりました。その結果、国の算入率による最低制限価格率の算定の方が有利になる逆転現象が生じる可能性があります。

そこで、神奈川県の一般管理費等の算入率を引き上げることなどにより、最低制限価格率を最低でも90%とするとともに、この引き上げに伴い、計算上の最低制限価格率が90%を超過するケースも想定されることから、最低制限価格率の上限率90%についても、算定の実態に合わせて引き上げを行うよう強く求めます。

【回答】
入札制度「かながわ方式」における最低制限価格の見直しについて

1 経緯
国は、公共工事のダンピング防止並びに品質確保の観点から、「低入札価格調査基準価格(以下「基準価格」という。)」を設定している。今般、公共工事の迅速かつ円滑な施工の確保に向けて、契約価格の適正化や実効性あるダンピング対策の充実を図ることが一層重要となっていることなどから、基準価格の見直しを行い、平成25年5月16日から運用を開始した。

併せて、各都道府県等に対し、各自治体で定めている基準価格及び最低制限価格について、国の改定を踏まえ、適切な見直しを行うよう要請があった。

そこで、本県においても、入札制度「かながわ方式」における最低制限価格を検証し、適切な見直しを行った。

2 国の基準価格の見直し内容
「一般管理費等」に含まれる経費のうち、本社・支社の給料手当相当分及び退職金相当分を新たに計上することとし、基準価格の算定式における「一般管理費等」の算入率を0.3から0.55に引き上げ、その結果、基準価格は概ね2%上昇した。

3 本県の見直し内容
国の改定内容を踏まえつつ、本県独自に導入した「かながわ方式」の基本的考え方である、工事の品質確保及び県内中小建設業者の健全育成の視点を継続した上で、地域経済の景気活性化対策にも資する見直しを行った。

○主な見直し内容(土木工事の場合)
【一般管理費等】
・国の引き上げ内容の本社・支社の給料手当相当分は既に計上しているため、計上していない退職金手当相当分を新たに計上。
・建設業者による重機保有に必要な減価償却費相当分を新たに計上。

【現場管理費】
・現場作業員の社会保険未加入問題が顕在化する中、加入促進を図る観点から、現場作業員の法定福利費相当分を、国に合わせ引き上げ。
・専門業者への外注経費相当分を新たに計上。
※建築工事、水道工事においても同様の内容を見込み、それぞれの算入率を見直した。

4 見直しの結果
今回の見直しにより、最低制限価格率が2~4%程度引き上がることとなる。
ただし、最低制限価格率の上限率については、現行の90%を継続する。

5 適用時期
平成25年11月1日以降に入札公告する案件から適用する。

参考資料
○国の低入札価格調査基準価格の算定式
※低入札価格調査基準価格とは、
「当該契約の内容に適合した履行がされないこととなるおそれがあると認められる場合」の基準となる価格(予算決算及び会計令第85条に規定)
※各自治体において最低制限価格を定める際にはこの算定式を参考としている。

直接工事費×0.95+共通仮設費×0.9+現場管理費×0.8+一般管理費等×0.55
 ↑
0.3(旧)

○「かながわ方式」の新たな最低制限 価格率(%)の算定式

【土木工事】
[{直接工事費×1.0+共通仮設費(積上分)×1.0+共通仮設費(率分)×0.9+
現場管理費×(0.7×α+β)+一般管理費等×0.4}/工事価格]×100
 ↑ ↑
0.6(現行)0.3(現行)

※αは工事規模による補正率(1.3~0.7)、βは施工困難さによる補正率(0.04)00

【建築工事】
[{直接工事費×0.98+共通仮設費(積上分)×1.0+共通仮設費(率分)×0.7+
 ↑
0.96(現行)
現場管理費×0.8×α+一般管理費等×0.4}/工事価格]×100
 ↑
0.3(現行)

※αは工事規模による補正率(1.1~0.7)

○【水道工事】
[{直接工事費×1.0+共通仮設費(積上分)×1.0+共通仮設費(率分)×0.9+
現場管理費×0.7×α+一般管理費等0.4}/工事価格]×100
 ↑ ↑
0.6(現行)0.3(現行)

※αは工事規模による補正率(1.2~0.7)