各地区の意見交換会概要(7)

全中建広島県支部との意見交換会
適正利益のあがる業界へ再構築
施主にコスト負担を求める

全中建広島県支部との意見交換会は平成25年12月18日、広島市のメルパルク広島で行われ、本部から豊田剛、後藤文好両副会長、押川太典専務理事、広島県支部から岡本弘支部長(全中建名誉会長)ら幹部、国交省から青木由行建設業課長、中国地方整備局の田中徹建政部長、佐藤篤計画・建設産業課長が出席した。

意見交換会は、豊田副会長と岡本支部長があいさつしたあと、青木課長が「最近の建設業界をめぐる諸情勢」をテーマに講演。入札不調・不落の現状、26年度公共事業予算編成への対応、入札契約制度の改革、26年度における建設業行政の検討課題などについて次のとおり述べた。


青木課長はまずに公共事業予算について「アベノミクスで久し振りに公共事業に光が当たった。悪いスパイラルが止まり、プラスの回転に移ろうとしている。しかし、26年度予算の編成過程で、建設業には消化能力がなくなっており、これ以上、公共事業予算をつけても執行できないので、予算の増額をやめ、小泉政権時代のように3%マイナスでいったらどうかという意見が経済財政諮問会議の民間議員から出されている」と削減論があることを紹介した。

そのうえで「建設業は上昇気流に乗って、適正な利益のあがる業界、適切な賃金が支払える業界につくり直さないと、オリンピックも東北の復興も災害対応も社会資本の更新もできなくなる」と語った。

入札不調について「被災地でも工事の遅れはあるが、契約に至らない工事はない。技能者も資材も売り手市場になって建設業者は苦労しているが、不調になっても再発注時の工夫で契約はできている」と不調工事が少ないことを強調。

庁舎や病院など自治体の大規模な建築工事での入札不調がマスコミで大々的に取り上げられ、不調工事の多発という印象を持たれたとしたうえで、「下期に自治体の発注が増えてくるので、注視が必要」と語るとともに、「建設業の消化能力がないというのは誤解で、むしろ施主からしっかりとお金を受け取る環境ができていないため、執行が滞っているのが実態」と述べた。

同課長は、入札不調への今後の対応として、最新の単価の適用による適正な価格による契約、資材を地域外から調達した場合の追加コストの支払い、スライド条項の活用、発注ロットの大型化による技術者・技能者の有効活用、中長期的に安定した見通しの確保をあげた。発注ロットの大型化にともない、中小企業が受注できなくなるのを避けるため、Cランク企業の食い上がりを認めるといった措置を講じることも明らかにした。

また、建設コストの上昇傾向を批判する声があることを踏まえ、同課長は「従来が低すぎた。年収200万円台の職人の給料で、これまでのコストが実現され、支えられてきた。それがいま、市場が正常に機能し始めて賃金が上がる兆しがみえている。しっかり施主にコストの負担を求めることが大切だ」と強調した。

歩切りについては「市町村で行われていることがわかった。首長がコストを削減して予算を残したといいたいために行っているケース。なんとなく続けているケースの2つがあるようだ。是正に向けて取り組みを強化したい」と述べた。

このあと青木課長と広島県支部との間で次のような意見交換が行われた。


広島県支部
現場での書類作成が多い。簡素化できないか。

課長
技術者は、申請書や報告書の作成、設計変更への対応など本分でないところにエネルギーを費やしてきた。技術者が現場で工夫し、それが利益につながる方向にもっていきたい。懇談会を立ち上げて議論したい。

広島県支部
市に対して最低制限価格の基準価格における一般管理費の算入率を55%に引き上げるよう要望したところ、県も他の市町村も採用していないという理由で受け入れてもらえない。指導を願いたい。

課長
発注行政は、自治体の自主的事務の最たるものだ。例えば予定価格の65%の価格でも仕事はできている、品質も悪くはないという首長がいるが、その工事は下請をたたき、労働者の給料を減らしてできたもので、それを長年続けるとどうなるのか、歴史から学ばないといけない。

事故繰越となる工事はないのか。

広島県支部
ある。市の舗装工事で先ごろに発注になった工事で、努力はするが、3月末完成は確約できないといってある。広島にはないが、山口、島根は災害があったので、これから起きてくるかもしれない。

課長
受注した工事で繰越になりそうな場合は発注者に伝えたほうがいい。財務省もそういう場合は相談するようにといっている。

広島県支部
設計価格を十数%も切って予定価格を作成している。

課長
労務単価は県一律だが、郡部はそれより低く価格を決めているところがある。それを歩切りというのには逡巡(しゅんじゅん)がある。

広島県支部
小規模工事では、経費の中に入れてあるといわれるが、実際に施工すると大幅な持ち出しになる。

課長
それでも受注する業者がいる。たぶん指名入札の工事だと思うが、そこが指名入札の罪深いところだ。指名外しに遭(あ)う。しかし、おかしいものはおかしいといえる状況にあるので、ノーとはっきりいってほしい。