各地区の意見交換会概要(2)

大阪府中小建設業協会との意見交換会
労務単価引き上げの実感なし
発注の平準化を求める

大阪府中小建設業協会との意見交換会は平成25年11月14日、大阪市中央区の大手前建設会館で行われた。全中建本部から豊田副会長と押川専務理事、大中建からは岡野三郎会長ら幹部が出席した。

最初に豊田副会長があいさつしたあと、大中建の岡野会長が「安倍政権になって公共事業予算が確保されたことで建設業の景気は上向きにあるようだが、中小建設業にはまだその実感がない。資材や労務不足によって経営はまだ苦しい」と述べた。

このあと意見交換に移った。


大中建
労務単価の引き上げについて、国関係の対応は聞こえてくるが、自治体が労務単価を引き上げたという実感はしない。国の指導をお願いしたい。

発注部局にダンピング対策の実施を要請しにいくと、それは業界の問題だ、といわれるだけで効果が上がらない。

本部
東京では建築工事の競争が沈静化してきた。

大中建
東京が踏み出すと、大阪も追随して考えてくれる。東京で先鞭をつけてほしい。

本部
歩切りは論外な行為だが、四国では10~15%も歩切りをしている自治体があると聞いている。

大中建
情報開示で発注者から金額入りの設計書をもらうと、積算ミス、歩切りが一目瞭然(りょうぜん)となる。それが発注者のプレッシャーとなっている。個別の企業が請求すると支障が生じるおそれがあるので、協会が請求すればよい。大阪府は前年度分の工事は情報開示してくれる。

本部
東京都も請求すれば情報開示してくれる。しかし、それにも弊害はある。その後に同種の工事が発注されると積算ソフトを使って見積もるとほぼ同額になる。

大中建
新労務単価を25年4月にさかのぼって採用している市もある。しかし建築工事の場合、資材費と労務費、それにともなう経費を含めて計算する市場単価を採用しているので、今回の措置は及ばないというのが発注者の見解だ。左官、内装などは材工込みの単価なのでわずかしかアップしていない。同業者の話を聞くと、われわれは今回引き上げた程度の労務費を24年から支払っているといい、戸惑っているのが実態だ。

建築工事では数量公開が行われている。それに情報開示で金額入りの設計書を入手して24年と25年の見積もりを比較すれば積算の実態が浮き彫りになる。それをもとに発注者と折衝していきたい。

本部
今回の労務単価の引き上げは、予定価格を2~3%押し上げる程度にしかならない。

大中建
建築工事では、85%の落札率が多い。労務費の引き上げで予定価格が2~3%程度アップしたところで、われわれの受注価格に大きな影響はない。最低制限価格を引き上げ、予定価格の上限拘束性を撤廃し、そのうえで金をつけるようにしないと、末端まで金が流れてこない。

本部
予定価格の上限拘束性の廃止などを柱とした入札契約制度改善のための法改正が次期国会に提案される。その中では、技術提案したあとに予定価格を決めるという制度の導入が含まれるようだ。

大中建
大阪府はこれまで工事事務所単位の発注だったが、25年からは大和川を中心に北と南の二つにエリア分けしたため、1エリアの業者数が大幅に増えた。そのために入札への参加回数が減り、競争は激化して安値受注が横行している。

25年は15カ月予算ということで工事量が増えている。建築の耐震化、改修の工事は夏休み中に集中的に発注された。土木はいま補正予算の工事が発注されている。しかし、この工事は26年3月までに完成できなければ受注しないようにといわれている。それで3月までに竣工できなければ予算を返納するという意見も出始めている。補正予算を組んで建設業を活性化させようという方向に逆行する動きだ。平準化を考えてほしい。そうしないと、また工事量が減少して倒産する業者が増え、災害時の対応ができなくなる。予算の継続的な確保、平準化の確保に尽力してほしい。

市街地での舗装や道路維持工事では、大都市補正が適用されるが、大阪府では大阪市と堺市が採用しているだけだ。入札不調がないというのが理由のようだが、大都市補正が行われれば、現場管理費、共通仮設費が確保されて仕事がしやすくなる。市街地の工事では大都市補正を適用するように働きかけてほしい。