各地区の意見交換会概要(1)

全中建京都との意見交換会
社会保険に加入できる労務単価を
最低制限引き上げ訴える

全中建京都との意見交換会は平成25年11月13日、京都市下京区のキャンパスプラザ京都で開催された。本部から豊田剛副会長と押川専務理事、全中建京都から山田孝司理事長ら幹部、講師として近畿地方整備局の茂原博建設産業課長が出席した。

当日は、豊田副会長のあいさつに続いて、山田理事長が「京都の業界には受注量が少ないという悩みがあるものの、京都なりの方向で生きている。私は40年以上建設業に携わっているが、こんなに長くて暗いトンネルになるとは思ってもみなかった。本日はわれわれの悩みを聞いてほしい」と語った。

このあと茂原建設産業課長が「建設産業の現状と課題」をテーマに講演した。


建設業が発展できるかどうかの大きなポイントの一つは、発注平準化の確保にある。発注が長期にわたって安定的に行われれば、それを通じて安定的な経営が確保され、雇用、設備投資が進む。政府としても中長期的な流れをつかむように動いていると聞いている。また、技能労働者の高齢化が進んで、このまま若い人が入職しないと5年くらいあとには建設業は仕事ができなくなる、と最初に業界の抱える課題を指摘した。

続いて同課長は、建設産業を取り巻く環境、元請・下請関係の適正化、社会保険加入の徹底に向けた行政や業界の動向について説明した。

その中で「25年度の設計労務単価を大幅に引き上げたが、これが下請まで渡らないと税金の無駄遣いがあったと国民、マスコミなどに批判され、今後、予算化ができなくなるおそれがある。今が若年技能者を確保する最後のチャンスとして行政、業界の関係者が一体となって取り組んでいることを認識して対応してほしい。社会保険には28年度末までに加入すればよいことになっているが、国、都道府県、政令市は、社会保険に未加入の労働者は現場作業に従事させないという意識が強くなっているので、未加入者は28年度末を待たずに、現場に入れなくなるおそれがあることにも留意してほしい」と語った。

最後に「建設業が発展してほしいということで、国交省は聖域に踏み込み、覚悟を決めて対策を講じている。施策への協力をお願いする」と要請した。

このあと茂原課長との質疑応答が行われた。


全中建京都
全中建京都の会員は、京都市の工事の受注が多い。市の建築工事の最低制限価格は、予定価格の88%に設定されているが、この水準では適正な価格は確保できない。95%以上でないと適正な価格ではない。適正な価格が確保できないと、社会保険に加入できないと思う。88%の価格で抽選による落札では若い人が入ってくる賃金は出せない。

課長
建築工事の落札率が低く、厳しいという実態は本省でも理解しており、次のステップを考えている。

基幹労働者に年収600万円確保となると、月額50万円、1日2.5万円という計算になる。そうなると設計労務単価はまだ低いのかもしれない。しかし、技能労働者全員に年収600万円の支給は難しい。仕事のできる人にしっかりと賃金を支払う、資格をもてば高い給料がもらえる仕組みをつくることが必要だろう。

全中建京都
京都市は入札不調が2回続くと、3回目の入札は市外の業者に参加を呼びかけているが、採算がとれる予算ではないのでわれわれは参加しない。設計や積算はコンサルが行っているが、コンサルは自分の取り分を除いて、残りの予算の範囲内で積算するので、工事費が不足する傾向になる。

資材費と労務費の変動が大きい。年に3~4回実勢にもとづいて見直しするよう市町村を指導していただきたい。京都府も市も国に準じた措置は採用するが、それ以上のことは実施しない。

課長
考え方によっては、当初の積算が間違っていたということになる。100のものが88になるというのも理解しにくい。まず平準化の確保も大切だ。

全中建京都
国土強靭(きょうじん)化に大きな期待をもっている。この間、工事量が減少していたので、平準化という言葉を忘れていた。

C、Dランクの工事件数を増やしてほしい。それと同時に、このランクの工事では指名競争入札を採用してほしい。

総合評価方式は落札した業者と、われわれのような経験のない業者との参加点の差が大きすぎて参加意欲がわかない。総合評価方式の弊害を考えてほしい。

現場技術者の兼任が認められたが、提出書類の作成が増えて、現場代理人と監理技術者、監理技術者の代理人の3人体制でないと対応できない状況にある。書類の簡素化をお願いする。

課長 現場で作成する書類の量が増えているという話はよく聞く。総合評価方式の見直しも進められている。要望事項をまとめて、全中建として提出してほしい。