全中建の取り組み状況報告

国施策の自治体への指導求める/松井会長ら 賃上げ・社会保険問題

全中建の松井守夫会長と土志田領司副会長は10月23日、国交省で行われた4.18大臣要請フォローアップ会議に出席し、建設技能者の賃金引き上げ、社会保険加入促進に向けた全中建の取り組み状況を報告するとともに、今後、ブロック単位に開催する会員との意見交換会などを通じて、会員へのいっそうの周知徹底を図ることを明らかにした。一方、国交省は、周知ポスターの掲示など新たな取り組みを公表し、業界に適切な賃金支払い確保の加速化に向けて協力を要請した。

同日の会議は、4月18日に太田国交大臣が行った技能労働者の適切な賃金水準の確保、社会保険加入の徹底などの要請から半年が経過したところから、そのフォローアップと今後の取り組みの加速化を図るために、高木毅国交副大臣が招集した。国交省からは同副大臣のほか土井亨政務官、増田優一事務次官ら幹部が、業界からは全中建のほか日本建設業連合会、全国建設業協会、建設産業専門団体連合会の幹部が出席した。

冒頭、高木副大臣があいさつ。「太田国交大臣の要請には苦しい状況の中で対応していただいた。安定的な企業経営や業界の発展、国土の保全、若年者の入職のためには継続して取り組んでもらう必要がある」と要請した。

これを受けて、各団体がこれまでの取り組み状況を報告した。

全中建の松井会長は、5月29日の理事会で「技能労働者の適正な賃金の確保」の決議を行って会員団体、会員企業に周知したこと、つづいて9月4日の理事会では会員への再周知と会員の受注量が多い市町村の対応状況調査の実施を決めたことを報告した。

さらに同会長は、今後の取り組みとして全国7ブロックでの意見交換会の開催を明らかにした。意見交換会は、本部の正副会長と会員団体役員、会員企業との意見交換を通じて周知徹底を図るとともに、地元発注機関の労務単価の引き上げ状況、積算結果の尊重状況などを把握することを目的に実施する。

松井会長は、この報告の中で10月初旬に実施した会員企業の取り組み状況調査結果にふれ、「下請に上乗せして支払った」「検討中」とする会員が約8割に達したことから、下請の技能労働者の待遇改善に対する会員企業の前向きな姿勢がうかがえるとする一方、2割強の会員が「上乗せをしていない」と回答しているため、さらに周知徹底が必要と語った(6面参照)。

また、積算価格を切り下げる、いわゆる歩切(ぶぎ)りを多くの市町村が実施している調査結果となったことを明らかにし、そのうえで「会員は都道府県、市町村の工事が多いので、国の施策が自治体にも徹底するよう指導してほしい」と要請した。

このほか松井会長は、長期的に安定した公共事業予算の確保、国土強靭化(きょうじんか)法、入札契約制度の法制化も要請した。

この後、国交省が活動のいっそうの周知を図るため、新労務単価の適用対象工事現場へのポスターの掲示、標準見積書の活用状況のフォローアップ調査など新たな取り組みを公表し、協力を要請した。

ポスターは、11月以降に契約する直轄工事で元請に掲示を要請する。同省は地方発注機関にも同様にポスターの掲示を求める。

なお、国交省は技能労働者の賃金水準確保に関する実態調査の中間とりまとめを報告、6月に集計した元下請調査で回答した約1万4000社のうち3分に1の企業が4月以降に賃上げを実施している実態が明らかにされた。