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防災の日に寄せて/中小建設業者の役割を考える
(一社)全国中小建設業協会 副会長
株式会社後藤組 代表取締役会長 後藤文好

9月1日は防災の日。国をはじめ全国各地で防災訓練、防災週間の行事が行われた。

今年の防災の日は関東大震災から90年となる節目の年で、国は南海トラフの巨大地震を想定した総合防災訓練を東日本大震災の被災地を含む各地で実施した。

わが県(広島県)では中国地方整備局が和歌山県南方沖を震源とする地震が発生したと想定、また、広島市は東海沖から四国沖を震源とする大地震が発生したと想定して津波による堤防の確認や避難の呼びかけなどの訓練を、広島県は防災フェアを実施するなど県民に対して防災減災意識の醸成(じょうせい)が進められた。

一方、広島県は9月20日、南海トラフ巨大地震が発生した場合の県独自の被害想定を発表したが、昨年8月に内閣府が公表した被害想定を大幅に上回るもので、被害の大きさに県民に衝撃を与えた。

これによると、南海トラフを震源とするマグニチュード9クラスの巨大地震が発生した場合、県内の死者は最大で約1万5000人、建物全壊約7万戸、浸水面積約1万2000ヘクタールに上るとしている。

このような中で、県内の建設業者は広島県と平成19年に「災害時の支援協力に関する協定」を締結しているが、この度、東日本大震災を踏まえ、大規模災害が発生した場合を想定した新たな協定の申し入れがあった。

もちろん、建設業者としてこの協定を締結し、この協定が想定している大規模災害が発生した場合には最大限の協力をすることとしている。

近年は想定外が想定外といえないような大規模な災害が全国各地で頻発している。

幸いにも、本県には今年は大規模な災害は発生しなかったが、お隣りの山口県、島根県では、7月下旬以降の豪雨により、9月中旬には京都府で台風により大きな被害が発生した。

広島県は水分を含むと脆弱(ぜいじゃく)で崩壊しやすい花崗岩と流紋岩が広く分布し、全国で最も多くの土砂災害危険個所を抱えており、いったん長雨や豪雨に見舞われると甚大な土砂災害による被害を受けることとなる。

特に、南海トラフ地震の発生確率は20年以内だと50%、あるいは、50年以内では90%と諸説あるが、いずれにしても将来の発生が想定されており、これへの備えは待ったなしである。

社会資本整備に携わる者として、また、災害発生時の復旧支援活動の担い手としてわれわれ建設業者の役割はますます重要になっており、中でもわれわれ地元に密着した中小建設業者は元気を出して頑張らなければならないと考えている。