ブロック別に意見交換

八戸を皮切り全国7地区/建設業振興対策委、労務資材対策委の合同会議

技能労働者への適切な支払いと社会保険への加入促進の周知徹底策を検討するための建設業振興対策委員会(小野徹委員長)と労務資材対策委員会(田邊聖委員長)の合同会議が9月17日、東京・大手町の朝日生命大手町ビルで行われ、当面、ブロックごとに開催する会員との意見交換会を通じて周知を図ることにした。

冒頭、小野委員長が合同会議開催に至った経緯を説明した後、「国交省は今年度の労務単価を前年度比15%も引き上げる大英断を行った。その理由の一つは担い手がいなくなるという点にある。地域に根ざしている企業に若年者が入職しないと大打撃を受ける。全中建としてもこの機会に対策を講じる必要がある。その一方で、長野オリンピックの後、仕事が途絶えたことや災害復旧が終了した後、工事が激減した経験を踏まえ、2020年の東京オリンピック後がどうなるのかを考えると、いま若者を採用することに不安が残るという問題がある」と語った。

引きつづき、国交省の千葉信義労働資材対策室長から「技能労働者の賃金確保等に関する最近の状況」について説明を受けた。同室長は、法定福利費の負担について「事業主負担分については昨年4月から現場管理費率を18.75%から22.07%に見直して対応している。今年度の設計労務単価は15%引き上げたが、予定価格への影響は4~5%の上昇になる。15%のうち5%が社会保険の個人負担分」と発注者側の対応を説明した後、法定福利費確保のため、下請が元請に提出する標準見積書について「9月26日の第3回推進協議会の後、いっせいに活用を開始する。理解してほしい」と活用を要請した。

つづいて質疑に移り、委員側から「労務単価に物価上昇率が反映されているのか」「社会保険料のアップ分は含まれているのか」「歩掛りを見直して労務単価を改定してほしい」「4月に昇給を済ませており、労務単価引き上げに対応した引き上げは考えていない」「競争の中で安い見積もりを出さないと仕事がとれない」などの意見が出された。

さらに、委員から各地の発注者の新労務単価の採用状況について、ほとんどの県、市が4月時点にさかのぼって適用している実態が報告された。

この後、正副会長会議でまとめた取り組み方針を踏まえ全中建としての対応について検討した。

正副会長会議でまとめた実施案は、ブロック単位の意見交換会の開催と市町村の対応を中心とした各地の実態を把握するためのアンケート調査の実施という内容。

その結果、すでに新労務単価の採用が市レベルまで進んでいること、昨年実施した調査によって会員企業の社会保険加入が進んでいることが判明しているため、現時点でのアンケート調査は不要として、意見交換会を開催し、その中で会員への周知と現状把握を行うことにした。意見交換会は、八戸地区を皮切りに7地区で開催することも決めた(3面参照)。

また今後、標準見積書の提出など状況が変化するので、それを踏まえて人材不足対策を検討し、アンケートは時期をみて必要性が生じた場合に実施することとした。