適正な労務賃金支払いを徹底へ

意見交換会、アンケート調査を実施

全国中小建設業協会は8月12日、東京・中央区新富の同協会事務所で正副会長会議を開催して、技能労働者の適切な賃金の確保と社会保険などへの加入促進を図るための対応策を検討した。その結果、会員への周知徹底を図るための意見交換会の開催、現状を把握するためのアンケート調査の実施などを決め、9月4日に開催する理事会に諮はかったうえで実施に移る。

全中建は、今年度の労務単価引き上げを踏まえて、4月18日に太田国交大臣から技能労働者への適切な賃金の支払い、社会保険への加入を強く求められた。これを受けて全中建は5月の理事会で、技能労働者の処遇改善を図るための適切な賃金の確保と下請企業に対する適切な賃金の支払い、社会保険への加入を促進するための法定福利費を含んだ下請契約の締結などを決議した。

この決議は会員の団体、企業に通知されているが、同日の正副会長会議では、決議内容の一層の周知徹底が必要との判断のもとにその方策を検討した。

その結果、周知徹底を図るための会員との意見交換会の開催と周知の前提となる現状把握のためのアンケート調査などを行うことにした。具体的な実施方法や実施後の対応については、建設業振興対策委員会と労働資材対策委員会の合同委員会で検討する。

意見交換会は、各ブロックで1会員団体を対象に開催、本部から正副会長と事務局が出席する。適切な労務賃金の支払い、社会保険加入の必要性とその手順などを説明するとともに、現地の現状、問題点などについて意見交換する。開催時期は9月から11月を予定している。

また、現状把握のためのアンケート調査やヒアリングは、すべての会員団体を対象に実施、会員企業への周知状況や発注者の対応、下請業者の対応状況を調べる。

適切な労務賃金の支払い、社会保険加入の確保に対する全中建の基本的なスタンスは「発注者が必要額を適正に負担することが前提」に置いている。会員は、市町村工事の受注が多いところから、市町村の対応状況を重点的に調査するが、市町村については「新労務単価の採用、法定福利費の計上が遅れている」「歩切(ぶぎ)りが行われているため、適正に計上されているかどうか不明」といった声が多く聞かれる。このため、市町村における新労務単価の採用状況、最低制限価格の設定状況、歩切りの有無などを中心に現状の把握を行う。

意見交換会やアンケート調査などの結果を年度内にまとめ、発注者の対応が不十分であることが判明した場合には国交省へ報告し、来年度の工事に反映されるよう指導を要請する。