会員メリット意識した活動展開

全国団体にふさわしい全中建へ/松井守夫新会長が抱負を語る

6月12日に開催された平成25年度通常総会と理事会において全国中小建設業協会の新会長に松井守夫副会長が選任された。松井氏は平成9年6月から副会長として歴代の会長を支え、長年にわたって協会活動の中枢を担ってきた。新会長に就任の抱負や取り組む課題などについて聞いた。聞き手は豊田剛前広報委員長。

--建設業界を取り巻く環境が依然厳しい中で新会長に就任したが、まず就任に当たっての抱負をうかがいたい

松井会長 岡本前会長から、会長を引き受けてほしいとの要請を受けた。私は会長の器ではないと思っていたので辞退したが、ぜひに、ということだったので引き受けることにした。高齢でもあるので、皆さんの協力を得ながら持てる力を100%発揮して期待に応えられるよう頑張っていきたい。

協会活動を通じて常々強く意識していたのは、組織強化の問題である。全中建は全国を活動領域とする組織ながら、実態は47都道府県に支部組織を網羅しているわけではないので、全国的に活動できる体制が整っていない。それで組織の強化・拡充の必要性、重要性を痛感していた。

ところが、十数年前から公共事業予算の削減が続き、その影響で中小建設業は疲弊(ひへい)してしまい、全中建の会員は、団体数も企業数もその数を伸ばすどころか、逆に減少しているのが現状だ。

さいわい昨年末に自公政権が誕生して国土の強靭化(きょうじんか)を図り、国民の安全と安心を守るためのインフラ整備を推進するという流れに変わってきた。この流れを好機ととらえ、悩みを共有する中小建設業に加入を呼びかけるなど、全中建組織の強化と拡充を図っていきたいと考えている。

◆全国的に中小向け工事を確保

--追い風が吹き始めたとはいえ、中小建設業界はさまざまな課題を抱えている。中小建設業が抱えている課題とその対応についての考えをうかがいたい

会長 中小建設業者の工事受注が全国的に落ち込んで、そのために地域の安全・安心を守るという重要な使命を担う地元建設業は、疲弊しすぎている。その改善を図るためにはさまざまな対策が考えられるが、まず必要な対策は、中小建設業向けの工事の確保である。工事が全国の中小業者にまんべんなく行き渡るようにすることが大切であると思っている。そのために10年以上安定して増大し続ける公共事業予算の確保を訴えたい。

また、受注した工事が、当初から採算割れとなるようでは経営の維持ができないので、ダンピング受注を排除する入札制度の改善を引き続き求める。

積算についても、労務単価に関しては今年度配慮していただき、引き上げられた。この措置が末端まで徹底し、すべての工事に適用されることを期待する。こうしたことが確実に講じられればわれわれの業界も徐々に生き返ることができると思っている。

◆加入してよかったと思える団体に

--ダンピング防止対策をはじめ重要な問題が山積しているが、そうした中で全中建活動の基本的なスタンスはどこに置くのか

会長 協会活動の要諦(ようてい)は、会員が抱える悩みの1つひとつに応えることだと思っている。その活動がないと入会のメリットがないわけだから、会員にとってメリットとなる活動を積極的に展開し、全中建に加入してよかったと思われる施策を講じていきたい。

具体的にどのような活動が会員から期待されているのか、それを見極めることが必要だが、副会長、理事をはじめ会員の皆さんから意見を聞き、それを集約して協会の運営にあたりたいと考えている。皆さんからの提案を期待している。いずれにしても、会員から加入していてよかったと思ってもらえる全中建にしたい。

◆「余裕を持てる業界」を実現したい

--全中建としての対外的な活動を行う上での基本的な方向についてうかがいたい

会長 まず、国土交通省の担当者と中小建設業者が抱える諸課題について率直に話し合える場をつくり、今後、国土強靭化、安全・安心な国土づくりに向けて中小建設業が積極的に参加できる仕組みの構築を働きかけていきたい。

--これからの中小建設業界は、ものを言う業界に変わらなければいけない。それと余裕を持てる業界にもなりたい

会長 そのとおりだ。例えば、ゴルフコンペを呼びかけても、最近は参加者が集まらない。余裕を失っている。余裕の持てる業界になるように努力したい。

--最後に会長の趣味についてうかがいたい

会長 特に趣味といったものはない。ゴルフは28歳のときから始めて、53歳のときにハンデ8のシングルまでいったが、練習嫌いのせいもあって、その後は下り坂で、いまはハンデがいくらあっても足りない状態になった。

いま、趣味といえるのは犬との散歩くらいかな。

--厳しい時期だが、新会長には窮状打開へ向けてリーダーシップをとっていただきたい