委員長の活動報告要旨

評議員会で各委員長が行った活動状況等の報告要旨は次のとおり。

会員増強に取り組む/松井守夫財務委員長
会員数が減少して、会費収入も減っている。来年度も会員の減少が続くのではないかと憂慮している。政権交代で大型予算が編成され、公共事業の増加を期待している。そうした状況のもとで会員の増強、全中建共済制度、災害補償制度の加入促進に努め、手数料収入の確保を通じて協会運営に貢献していきたい。

われわれが要望してきた印紙税が軽減され、これまで対象外だった小規模工事契約も軽減対象となった。さらに改善を求めていきたい。

交通誘導員の積算適正化/宮本武蔵土木委員長

建築委員会との合同委員会を開き、国交省建設業課の高芝課長補佐と社会保険未加入問題について意見交換した。同補佐は5年かけて未加入者をなくす取り組みを進めると述べていた。工期が延びたために、加入対象者となった場合の取り扱いを質問したところ、相談しながら対応するという回答だった。また、国交省等と下水道工事意見交換会が1月下旬に行われ、全中建からは交通誘導員の設計単価の適正化と下水道工事の面整備の歩掛り改善を要請した。交通誘導員について国交省下水道部は、実態を知るためデータがほしいというので、委員会で調査することにした。調査は全工種を対象に昨年10月以降の1、2カ月単位で交通誘導員に支給した金額と設計労務単価を調べる。

下水道工事の面整備は、即日復旧で作業が進むが、その歩掛りは実働6時間で作成されている。しかし実働6時間の確保は不可能なので、作業実態も調査することにした。前回、人力掘削の調査結果を国交省へ提出したところ、効果があったようなので、今回もデータを提出すれば一定の効果が得られると思う。

担い手確保・育成に対応/小野徹建設業振興対策委員長

私が、国交省が設置した「担い手確保・育成検討会」の委員に就任したので、この検討会の設置目的、検討方向の説明を受け、委員会としての意見集約を図るため、国交省の担当者と意見交換を行った。検討会は、(1)専門工事業者等評価(2)技能労働者技能の「見える化」(3)登録基幹技能者のさらなる普及(4)技能労働者に対する教育訓練(5)戦略的広報――の5点についてそれぞれ部会を設けて検討しているが、結論はまだ詰まっていない。

ITを活用した技能の見える化については、誰がデータを集め、誰がそれをデータベースに入力するのか、個人情報保護が求められる中でどのようにデータを活用するのかといった問題点が指摘されている。

委員会では「コスト競争から抜け出る方策を考えないと労働者の賃金を上げることはできない」「デフレスパイルのもとで実態調査にもとづく労務単価の決定は適正な単価とはならない。政策的に決められないか」などの意見が出された。

共済制度の加入拡大/岡野三郎共済制度運営委員会

災害共済制度の運用に伴う事務費収入は、23年度が1057万円だったが、今年度は2月現在931万円にとどまっており、前年度をかなり下回ると予想される。労災補償制度の加入者数は前年度に比べ50社減少し、賠償責任共済制度の加入者数も同様に減っている。共済制度は企業経営の安定、労働者の福祉の向上、健全な協会運営の確保に大きな役割を果たしているが、ここ数年加入率が大幅に減少し、現在の割引率を適用することは難しい状況にある。委託保険会社による加入勧奨キャンペーンを展開し、加入率アップに取り組んでいる。全中建共済制度への加入促進に協力をお願いしたい。

戦略的広報への対応/豊田剛広報委員長

24年度補正予算、25年度予算で公共事業費が増額され、われわれにとっては追い風が吹いている。しかし、野党からは予算のばらまきといわれ、公共事業に対する批判が消えていない。国交省は「戦略的広報検討会」を立ち上げ、建設産業の魅力を発信するための検討を進めているので、この動きに対応していきたい。中小企業は災害対応などを通じて社会に貢献しているが、実態は市民に理解されていない。われわれの活動が市民に浸透するよう努力したい。

認識新たに事故防止/布施正夫安全衛生委員長

委員会では、建設業労働災害防止協会の水野安全管理士と労災防止について意見交換した。同氏は建設業の労働災害は減少傾向にあるが、死亡事故は400件で推移している。墜落が半数を占め、続いて自動車、建機や落下物による事故と続いている実態を紹介し、災害が起きる環境や事故に対する企業責任についての説明を受けた。事故防止には労働者本人、事業主が認識を新たにし、注意していくことが大切だ。事故は会社の存立にかかわる問題でもある。

リサイクル製品を活用/山元一典環境問題等対策委員長

電子マニフェストと建設リサイクルの問題について検討している。電子マニフェストは事務処理の関係で、中小企業にとっても今後必要になると思っている。活用したいと考えている会員に詳細を伝えたいと思い、電子マニフェストを管理している日本産業廃棄物処理振興センターと専務理事が接触を続けている。電子マニフェストを活用したいと考えている会員は、連絡してほしい。

首都圏で発生しているリサイクル製品が処理できずに、売れ残っているということなので、被災地で活用できないか検討している。船でリサイクル品を被災地に運搬し、帰りには被災地の廃棄物を首都圏へ運べば、コストは安くなる。まず1つの実績を残したい。

便乗値上げを監視/田邊聖労務資材対策委員長

国交省の榎本市場整備課長と懇談し、社会保険未加入、担い手の確保育成など同省が進めている対策について意見交換した。同課長は、社会保険の未加入者をなくすため、行政、業界、企業が一体となった取り組みの重要性を強調していた。

委員からは最低制限価格や低入札価格調査の基準価格の引き上げ、発注単価の改善を求めたほか、社会保険の未加入業者を現場で使用した場合の元請企業に対する罰則について質問した。これに対し同課長は、未加入業者をなくすことが目的なので、元請企業への罰則はないという回答だった。労務単価の下落、消費税率の引き上げに伴う便乗値上げが今後予測されるので、対策を講じていきたい。