【全中建若手経営者部会】地元優先活用の入札契約制度

河野愛知県建設部建設企画課主幹

第2部として入札制度に関する2つの講演が行われた。愛知県建設部建設企画課河野修平主幹が「愛知県建設部の入札契約制度について」をテーマに行った講演の要旨は次のとおり。

愛知県建設部の発注工事のうち、件数では9割を地元企業が受注している。平成22年度に「愛知県公共工事発注方針」を定めた。この方針では、地元建設業者の受注機会の確保と県産品の優先使用の2つを施策の柱としている。

地元建設業者の受注機会の確保は、建設産業が地域における経済・雇用・活力を担う基幹産業であり、地元建設業者は災害時の緊急対応に大きな役割を果たしているところから、地元建設業者の育成、健全な発展を図るために掲げた。

もう1つの柱である県産資材の優先使用は、県内企業の育成、地場産業の振興を目的にしており、設計図書で定めている。

◆地元だけの一般入札

この発注方針のもとに具体的には、(1)コスト面に配慮しながらの分離・分割発注(2)一般競争入札は地元建設業者のみ参加できる地域要件の設定(3)指名競争入札は原則として地元建設業者を指名(4)経常JVは2~3者の地元建設業者で結成(5)特定JVは地元建設業者が代表構成員になれる入札参加資格要件を設定(6)総合評価落札方式では防災協定などの社会貢献活動も加味して評価を考慮して地元企業の受注機会確保を図っている。

入札参加資格審査は、経営事項評価点数と成績評価点数とで総合点数を算出する方式で行っているが、これに愛知県独自の要件として22年度からは社会保険加入(雇用保険、健康保険、厚生年金保険)、24年度からは暴力団排除措置を受けていないことを加えた。

成績評価点数は、工事成績評定、障害者雇用状況、優良工事表彰、地域貢献、ファミリー・フレンドリー企業登録状況(仕事と生活が調和した「働きやすい会社」の実現に取り組む企業)で算出される。
入札契約方法は、一般競争入札、指名競争入札、随意契約を採用している。予定価格5000万円以上の工事は総合評価落札方式、1000~5000万円未満は基本的に総合評価落札方式、それ以外の工事は指名競争入札を実施している。

総合評価落札方式は16年度から試行している。特別簡易型、簡易型、標準型の3類型で実施しており、24年度から特別簡易型の中に地域型2.として新しい方式を導入、1000~2500万円の土木・舗装工事に適用している。

評価は「技術提案」「企業の技術力」「配置予定技術者の技術力」「地域精通度・地域貢献度」の4項目で行うが、特別簡易型では技術提案を求めていない。

技術提案は、標準型では工事目的物の機能、社会的要請などに関して2~3項目、簡易型では品質管理、安全管理、環境配慮などの中から簡易な施工計画1項目の提案を求める。
企業の技術力は、施工実績、工事成績、契約後VE実績(地域型2.には求めない)、優良工事表彰、ISO9000sで評価する。

配置予定技術者の技術力については、施工実績、工事成績、CPD(継続職能研修)実績で評価するが、地域型2.では、施工実績、工事成績は求めないものの、資格保有で評価する。1級土木施工管理技士には2点、2級資格者には1点が付与される。

地域精通度・地域貢献度では地域内の拠点有無、地域内の施工実績、災害協定・活動実績、ボランティア活動、雇用実績(新規に雇用していること)、ISO14000s取得を評価する。

防災協定は、県の土木技術者が減少して、十分な県施設の巡視、点検の実施が難しくなってきたところから、12年の東海豪雨の被害をふまえて、13年度から台風、豪雨、地震などの災害発生時または発生するおそれがある場合に公共土木施設の巡視・点検・規制、応急復旧などの業務を民間に委託するために導入した。現在370社の地域の建設企業と個別に締結している。協定期間は3年間で、現協定は24年度に期限切れになる。

◆防災協定は最大6点

防災協定の評点は、防災、緊急維持修繕、雪氷のそれぞれの協定締結ごとに1点、過去5年間の協定にもとづく出動1回につき1点で最大3点。したがって、3つの協定を締結し出動実績があれば最大6点が与えられる。しかし、地域型2.では、6点が評点全体に占める比率が高くなるので、3点に抑えている。
総合評価方式はそれ以外の方式に比べ、工事成績評定が約2点高く、導入効果が上がっている。

総合評価方式に対しては実績重視になっている、防災協定の6点が高すぎるといった指摘が業界から出されている。実態を調べると、ISOやCPD、ボランティアの点数が取れていないことで評価点が低くなっていることが判明したので、実績重視のために評点が低くなっているわけではないと説明している。

低価格入札対策として予定価格1億5000万円以上の工事に低入札価格調査制度、最低制限価格制度を採用している。この結果、落札率は微増、低入札価格の発生率は減少し、適正価格での契約がより図られているものと想定される。