震災復旧・復興リポート

用地確保の遅れ、資材不足を懸念
全中建岩手

東日本大震災の発生から1年7カ月余経過しましたが、復旧.復興工事に関しては、用地や資材の確保難などで、決して順調には進んでいない状況にあります。政府は6月28日、平成23年度予算に計上した東日本大震災の復興費は39.4%が年度内に使われなかったことを発表しています。なかでも、被災した道路、橋および学校などのインフラ復旧を進める国土交通省や農林水産省、文部科学省の執行率は4~5割と低くなっています。

岩手県は6月11日、まちづくりや漁港整備など社会資本整備の工程をまとめた「復旧・復興ロードマップ(総括工程表)」を公表し、海岸保全施設、まちづくり、復興道路、災害復興公営住宅、漁港の5分野の事業やスケジュールを示し、平成30年度までに完了を目指すとしています。また、県は7月25日には、沿岸被災地のまちづくりや漁港などの社会資本整備について12市町村別にまとめた「復旧・復興ロードマップ(工程表)」を公表し、高台への移転、災害公営住宅建設などを県と同様に平成30年度までの完了を目指すとしています。8月27日には、復旧状況を四半期ごとの統計値で示す「いわて復興インデックス」の第3回を公表しましたが、がれき処理は依然として13.3%にとどまっています。

港湾、漁港の復旧・復興工事など用地が必要のない場所が先行しているものの、防潮堤などの用地に関係ある工事については、地権者の約4割が所在不明ということで交渉に時間を要する見通しとなっています。沿岸地域は縄文時代などの遺跡が数多くあることから、高台移転などに伴う埋蔵文化財調査が必要であるほか、工事予定地の保安林解除手続きに時間を要することから、「スピード化」には程遠い状況にあります。災害公営住宅(復興住宅)の建設用地確保においても地形の制約などによる用地不足や、自治体の復興計画が定まっていないこともあり、建設が進んでない状況にあります。

資材については、生コンが地域によって総量は足りても、配達日時が指定(配給)される状況にあります。また、骨材(砕石)は青森・北海道などから船で運搬していますが、骨材を保管するストックヤードの確保が課題となっています。

生コンの不足分は、専用プラントの新設、コンクリートミキサー船およびケーソン製作の地域外への依頼などにより補っていく必要があります。

また、技術・技能者がいずれもひっ迫しつつあり、技術者については確保策として「専任配置基準の緩和」などにより行っていますが、技能者は一部特殊職種が不足し、県外へ依存しているため、賃金が高騰している状況にあります。

さらに、宿泊施設については、既存の旅館などである程度の対応はできているものの、絶対量が不足すると思われていることから、復旧・復興工事に重大な支障となることが予想されます。

国等には、これらの対応策としてインフレスライド条項の活用、資材の遠隔地からの調達に伴う設計変更の導入などで対応していただくこととしていますが、これから本格化する発注工事への対応としては、国、県など発注者間の発注時期・工期などの調整、エリア別協議会の設置、調整が必要と考えています。

被災地の現状は以上のとおり、多くの困難が山積していますが、協会員(各企業)は今後もオール岩手で早期復旧・復興に取り組んでまいる所存です。