25年度の災害防止対策検討

職長教育の向上など図る/安全衛生委員会

平成24年度第1回の安全衛生委員会(布施正夫委員長)が7月2日、東京・大手町の朝日生命大手町ビルで開催され写真、今年度に全中建として実施する災害防止対策について検討したほか、講師を招いて最近の労働災害をめぐる諸情勢をテーマに講演会を行った。

会議の冒頭、布施委員長は「仕事が減少しているにもかかわらず、建設業での労働災害は増加傾向にある。最近も大きな災害が発生しており、その撲滅へ努力しないといけない。認識を改め、新たな気持ちで災害防止に取り組みたい」とあいさつした。

同日、委員会としてまとめた「平成24年度全中建災害防止対策」(案)は、重点項目を掲げて対策を実施する内容になっている。

重点項目として、(1)経営者(社長、代表者)の安全意識の高揚(2)下請専門業者の職長に対する指導力向上のための教育(3)建築物の解体作業等で発生するアスベスト(石綿)対策の強化(4)建築物解体の安全確保・安全確認の徹底(5)職長に対するリスクアセスメントの推進(6)放射線汚染の土壌やがれきなどの除染作業に関わる事業者等の除染等業務講習会への参加――を掲げた。

このうち職長への指導力向上のための教育として、安全講習会などへの職長の受講の徹底を図ることにした。

この対策(案)は、理事会に諮はかったうえで全中建の災害防止対策として正式に決定される。
講演会は、建設業労働災害防止協会の水野健介安全管理士を講師に行われた。

同安全管理士は、最近の労働災害の発生状況について「建設業における労働災害による死亡事故は減少しているものの、それでも23年は342人とまだ1日に1人が亡くなっている。労働災害そのものは増加傾向にあり、今年1~4月でも前年同期に比べ19人増えている」「死亡事故は墜落、重機、倒壊の3大事故が4分の3を占めている」と説明した後、災害の発生要因について「災害は人と物との接触によって発生する。労働災害の約83%は『不安全な状態』と『不安全な行動』が重なった時に発生する」と語った。

そのうえで事故防止への取り組みとして「不安全な状態のもとでは不安全な行動をしないことが不可欠だ。またヒューマンエラーが災害につながらない安全な状態をつくることが必要だ」

「不安全行動の背景には『しらない』『できない』『やらない』の三つがあるが、なぜ不安全行動をしたのかそれを見極めないと、その後の対応ができない。その中でもっとも厄介なのは『やらない』だ。根気強い努力が必要だ」

「1件の重大事故の背景には29件の軽微な災害、300件のヒヤリハットがあるというハインリッヒの法則は、ヒヤリハットや軽微な事故を減らせば重大災害をなくすことができるということを意味している」と指摘した。