委員長の活動報告要旨

3月6日の評議員会で各委員長が行った委員会活動報告の要旨は次のとおり。

厳しい状況下経費削減に努力
松井守夫財務委員長
民間投資の減少と公共事業予算の大幅な削減により、中小建設業の経営はますます厳しい状況にある。そうした厳しい状況を背景に、全中建の会員数も減少傾向をたどっていることから、本年度も経費の削減に努めている。

中小企業の軽減税率は23年12月の税制改正により18%から15%に引き下げられたが、24年4月から復興特別法人税が加算され、16.5%となった。

待機費用の計上を要望
宮本武蔵土木委員長
下水道管の手掘り工事に関するデータを集め、国交省の下水道部と協議した。同部は設計指針の改正時に載せたいといっている。歩掛り表の作成までいくと思う。

地域維持型契約方式においても、積雪が少なくて除雪の出動が解除になった場合の待機費用を負担するよう国交省へ要望した。

本年の下水道工事意見交換会は、災害復旧工事の進め方をテーマに行われた。宮城県は復旧工事はすべて指名入札、特命で発注しており、岩手県も同じ方向といっていた。緊急工事は施工後に設計されると赤字になるので、施工者の請求どおりに精算してほしいと要請した。

社会保険の未加入問題検討
青木誠光労務資材対策委員長
国交省と懇談した際、担当者から「社会保険の未加入者が多い。保険料を負担しない企業は、安値受注を通して施工力のある企業を駆逐するとともに、優秀な人材の確保・育成を困難にする。行政では立入検査や建設業許可・更新時における加入状況の確認などを通じて加入の指導徹底を行う。元請企業は施工体制台帳に保険加入番号の記入の確認などを行う。今後1年を目途に保険加入への周知徹底を図っていく」という説明があった。

地元精通度高い業者間の競争を
小野徹建設業振興対策委員長
昨年11月に中央建設業審議会の会議が開催された。本日は、この中建審で私が発言した内容を中心に会議の概要について報告する。地域維持型契約方式が採用されることになったが、この方式が導入される契機となったのは、工事量の減少、競争の激化によって、地域を担う建設業が少なくなったためだが、これらの要因が解消されないかぎり、新方式を採用しても事態は改善しない。このため、一般の工事でも地元の事情に精通した業者間の競争となる入札方式を採用してほしいと要請した。

業種区分の見直しについて意見を求められたが、国交省は全体的な業種区分の見直しを考えているわけではないようだ。リフォームなどの工事での業種区分の見直しを考えている。

社会保険の未加入対策として国交省は、従事するすべての作業員の名前を施工体制台帳に記入することで、加入状況をチェックしようと考えている。全中建の会員ではすでに加入しているので、問題となる企業はないと思うが、これが実施されると専門業者は大変だと思う。

この方法を拙せっ速そく(せっそく)にやられると、一人親方が増えるなど業界の秩序が崩れることにつながるおそれがある。

共済制度への加入促進を
岡野三郎共済制度運営委員長
全中建は現在3つの保険共済制度を運用している。企業経営の安定、労働者の福祉の向上、さらには健全な協会運営のために、この共済制度の果たす役割は大きいものがある。掛金も通常に比べ70%もの大幅な割引を受けられるメリットのある制度となっている。しかしながら、加入率が大幅に下がって、現在の割引率を維持することが困難な状況になりつつある。共済制度への加入促進に協力してほしい。

疲弊する地方の実態取り上げる
豊田剛広報委員長
「全中建だより」はこの1年間、災害復旧の現況報告を中心に取り上げてきた。この1年は復旧・復興に取り組む地元企業の果たしている役割が社会的に認識された年でもあった。しかし、予算の執行が遅れ、復旧・復興事業が進んでいない。また、公共事業予算が削減され、全国的には地域建設業の疲弊が進んでいる地域が多い。「全中建だより」は今後、そうした地域の実態を取り上げ、社会に訴えていきたいと考えているので、地方からの寄稿をお願いする。

瑕疵担保履行法改善求める
前田正人建築委員長
住宅瑕疵担保履行法に関するアンケート調査を実施したところ、6割の工事で保険料を施工者が負担している実態など、さまざまな問題点が指摘された。委員会ではその問題点を9項目に整理し、それを踏まえて昨年10月、国交省に改善を要望した。

委員会として、引き続き住宅瑕疵担保履行法の運用改善を求めるとともに、PFI、PPPを取り上げて検討していく。

労働災害防止で国交省と懇談
布施正夫安全衛生委員長
建設業における労働災害の発生件数は年々減少傾向にあるものの、全産業に占める比率は、ここ数年20%前後と変わらない状況が続いている。こうした状況を踏まえ、事故防止に向けて、国交省の担当者と意見交換を行ったが、その中でダンピング受注の影響などにより、十分な安全対策の実施まで手が回らなくなっているのではないか、リスクアセスメントを推し進め、事故防止への取り組みを指導してほしいといった意見が出された。

リサイクル材の活用策を検討
山元一典
環境問題対策委員長不法投棄の原状回復制度は、平成10年度から運用されており、この原状回復基金に建設業界は、22年度に1億1000万円を拠出している。

その資金はマニフェスト販売の積立金の中から支出しているが、電子マニフェストを利用すると費用負担が生じない。このため、電子マニフェストを使う大手企業は費用を負担していない。

一方、紙ベースのマニフェストは後の整理が大変なので、全面的な電子マニフェストに切り替えるべきだという意見が出ている。

委員会では国交省の担当者と「建設リサイクル法」について意見交換をしたが、その中で「リサイクル法が整備され、建設廃棄物のリサイクルが進んでも、それが流通する仕組みがないと、法律に魂が入らないことになる。輸送手段やストックヤードなどの問題を検討し、再生品が流通する仕組みをつくるべきだ」との提案を行った。このため委員会では、リサイクル品を被災地での地盤かさ上げなどに活用できないかなどを検討することとしている。