震災復興事業で活用

大都市圏のリサイクル材
環境委員会

平成23年度第1回の環境委員会が2月17日、東京の八重洲富士屋ホテルで開催された。事務局が不法投棄の原状回復基金の設立から現在までの経緯を説明したあと、国土交通省建設業課の崎谷和貴課長補佐が「建設リサイクル法の概要」について講演した。引き続き意見交換が行われ、東北の震災復興事業に大都市圏のリサイクル材の活用を要請する必要があるとの意見が出された。

当日はまず山元一典委員長が「東日本大震災、原発の問題が発生したため、これまで取り組んできた環境問題はかすんでしまい、委員会も休眠状態になったが、震災前の状態に戻し、さまざまな問題を検討していきたい」とあいさつした。

産業廃棄物等不法投棄の原状回復制度については、宮崎専務理事が平成10年度の制度設立から23年度までの経緯と「支障除去等に関する基金のあり方懇談会」で検討している25年度以降の新たなスキームの構築について説明した。

環境省は、この制度を25年度から新しいスキームで運用する方針を固め、懇談会を設置した。この懇談会には全中建も参加する建設6団体副産物対策協議会の代表が参加している。その中で建設6団体は(1)「基金」そのものを当面存続することはあえて否定しないが、産業界の善意に依存した制度には限界がある(2)適正処理を行っている真面目な事業者がなぜ犯罪行為の後始末をしなければならないのか(3)薄く広く費用を負担する観点から電子マニフェストからの徴収を検討することを求めている。

このあと、意見交換を行ったが、「不法投棄は中小業者、零細業者に多い。そのような業者への啓蒙活動が必要だ。全中建がその啓蒙活動を担う必要があるのではないか」「個人住宅の解体に伴う不法投棄を防ぐため、建築確認時にそのチェックを行うべきである」といった意見が出された。

続いて、崎谷課長補佐が講演した。同課長補佐は建設廃棄物の現状について(1)全産業廃棄物の約2割を占め、環境への負荷が大きい。不法投棄の約8割は建設廃棄物である(2)最終処分場の逼迫は危機的状況にある(3)高度経済成長期に建設された建築物の解体によって今後解体廃棄物が急増する(4)リサイクル率は94%(5)木材、汚泥のリサイクルの一層の推進が必要などの点を指摘した。

このあと、建設リサイクル法の概要、19年から20年にかけて実施した建設リサイクル法の点検結果、建設リサイクル推進のための計画、廃石膏ボード現場分別解体マニュアルについて説明した。

意見交換では、委員から「リサイクル率を高く設定するのはいいが、それを利用するためのマーケットを調査しているのか。リサイクルするにも受け入れ先がないのが現状だ」「平成元年に国交省が国道の路盤、路床にコンクリート塊を使い、素晴らしいと思ったが、いまはその工事もない」「公共工事で再利用できるように公共事業予算を確保してほしい」といった意見が出た。

その意見を受けて、山元委員長は被災地の復興事業を取り上げた。「被災地では骨材が不足して、事業に支障をきたしている。地盤の嵩上げにも必要となるので、大都市圏のリサイクル材の活用を行政に働きかけたらどうか」と提案した。今後、委員会として復興事業での活用について具体的な方策を検討することとした。

委員会委員は次のとおり
委員長・山元一典(岩手)
委員・細沼順人(東京)、大田稔(東京)、原正夫(神奈川)、薩川諭(静岡)、成瀬介宣(愛知)