若手経営者が思うこと

がんばれ!東日本
(社)横須賀建設業協会理事
((株)新晃産業代表取締役)
長島正志

平成23年3月11日の東日本大震災から、もう9カ月が過ぎました。少しずつは復興してきているようには言われていますが、ほんとうの意味での復興はこれからだと思います。今回初めてのボランティア活動をさせてもらい、私自身がどのようなきっかけでボランティア活動を行ったか、そして活動を通じてどのようなことを感じたかを書かせていただきます。


私は、いままでボランティア活動に対して目を背けて生きてきました。今回、この東日本大地震が発生してからも、何かしたいなとは思いながら、結局行動に移せない日々が過ぎていきました……。

しかし、ある機会に被災地への募金活動を行うことになり、精一杯の声を張り上げて道行く人に声をかけ、募金のお願いをしました。さまざまな方々に募金をしていただき、応援もしていただきました。

活動を終えて、こんな自分でも少しは何かの役に立てたんじゃないかと思え、自分なりに満足感を覚えました。そのことを機会に、私の考えが変わりました。「もっと何かをしてあげたい」「被災地に行って活動をしたい」「何か役に立ちたい」と強く思いました。

その頃、被災地に炊き出しをしに行くという知人がいて、無理を言って同行させてもらいました。現地に着き、被災地の現状を目の当たりにして、その惨状に言葉を失いました。テレビや雑誌などで何度も目にはしていたのですが、現地の状況は全く違いました。

360度がれきの山、ひっくり返った車、そして崩壊した建物など信じられない光景を目の前にして、自分たちに何ができるのか想像もつきませんでした。避難所に着き、その中の生活状況を見て、また別の感情がこみあげてきました。何人もの家族が体育館の中で生活をされていて、プライバシーも何もないようなダンボールで区画割りをされていて、皆疲れきっていました。私は「ここにいる皆に、少しでも笑顔になってもらいたい」。そんな思いで一生懸命炊き出しを行いました。

被災地の方々とふれあいながら1日を過ごして、「最後に皆から感謝のあいさつがあるので、体育館に集合してください」との言葉がありました。避難所の方たちの前に立ち、皆から感謝の言葉や気持ちを伝えられ、いろいろな気持ちがこみあげてきて、涙が止まりませんでした。そして、最後の最後まで見送っていただき、子供たちは無邪気に「また来てね」と抱きついてきました。今思い出すだけで、その時の感情がよみがえってきて、涙が出てきます。

「また来てあげたい」「絶対に来なきゃいけない」「どんなことでもいいから、何か協力してあげなきゃ」と強く思いました。そして地元横須賀に戻り、日々その思いは強くなっていきました。しかし自分1人だけの気持ちでは、活動できないという現実に直面し、地元建設業協会青年部のメンバーに相談したところ、皆が賛同してくれ、私が中心となり、ボランティア活動を実現させることができました。

活動内容、活動場所、交通手段など……いろいろな調整や打ち合せは、想像を上回るほどたいへんで、全てのハードルを越えなければなりませんでした。そして、行き先は「東松島市」に決定しました。協会をはじめ、市役所やバス会社など多方面の方々に多大な協力をしていただき、「皆の温かい気持ちに応えなければ」と改めて心を奮い立たせました。

活動内容は専門技術を生かし、一般ボランティアの方には難しい「建物の床板撤去」に決定しました。1軒また1軒と作業を行い、感じたことは、その家の方々の感謝の言葉や気持ちが、普段聞いている「ありがとうございます」と全く違う重みだったということでした。作業時間が短く、依頼内容を完全に消化できていないにもかかわらず、その心に響く言葉をかけてくれました。「もう少し時間があったら」「もう少し人数がいれば」……。

とても後悔が残りました。次に来た時こそは、そんな後悔が残らないようにしなきゃと強く思いました。夕方作業が終わり、ボランティアセンターに戻る途中、被災地を見てまわりました。地盤が沈下して水没している町、崩壊した建物、折れた木々、高く積み上げられたがれきなどを見て、今後もこの町の復興のために活動を続けていかなければいけないと、改めて皆で決心しました。

私たちの活動は、今の被災地にとってほんの少ししか役に立てていないかも知れません。でも、そのようなひとつひとつの活動の積み重ねと1人でも多くの方たちが同じ気持ちを持っていくことが、これからの復興につながっていくのではないかと私は思います。

ボランティア活動を継続していくことで、今の悲惨な現状から復興していく姿を自分自身の目でリアルタイムに確認していきながら、何年か先、復興した時に皆で東松島に行って喜びを分かち合おうという目標を持ち、自分たちのできる限りの応援、協力をしていきたいと思います。そして、1人でも多くの方たちにこの思いを伝えて、活動人数や回数が増えていけるよう努力していきたいと思います。

この文章を読んでいただき、1人でも多くの方に共感していただき、1人でも多くの方々に復興のお手伝いをしていただければ幸いに思います。