各地域からの現状リポート

平成の京町家コンソーシアム
全中建京都
理事長山田孝司

京都といえば、冬は底冷え、夏は油照りといわれるほど厳しい気候で知られています。その京都の住宅「京町家」といえば、犬矢来(いぬやらい)、虫籠窓(むしこまど)、格子戸、そして「うなぎの寝床」と呼ばれる間口が狭く奥行の深い造りが特徴です。そこには、電気を使わなくても快適に暮らすための先人の知恵がぎっしり詰まっています。

ところが、京都市が平成23年8月に調査した結果、残存する京町家は47735軒、そのうち約10%は空き家であり、毎年約1000軒が失われているそうです。町家そのものの老朽化や住人の高齢化、そして現在の建築基準法を満たし難く、同じ様式での建て替えが困難なのが要因とされています。


京町家風にするだけなら鉄筋構造でも可能ですが、歴史都市・京都では単に省エネ住宅を普及促進させるのではなく、京都産木材を使用した木造住宅とし、京唐紙などの素材をインテリアに使用し、通風、冷暖房をコントロールできる間取り、柱や梁などの木材が室内に見える等々、京町家のもつ良さを現代に再現する必要があります。

しかし、実際には防火に関する制約とは正反対な材料の使用など、いくつもの問題点がありました。消防署ともかなり検討が必要で、趣旨が合致したものをつくるには相当の時間と難題が待ち受けていました。

そんな中、「平成の京町家コンソーシアム」という、官民学が一体となってこれからの京町家はどうあるべきかを考える動きがありました。全中建京都では、このコンソーシアムに一般会員として設立時から参画しています。認証制度も創設され、新築物件を対象に縁側の設置、風通しの良さ、市内木材の使用などを総合的に審査し、「伝統型」と認定されると補助金が交付されます。すでに認定住宅も完成し、着実に動き出しています。詳しくはネットで「平成の京町家」と検索してください。

京文化のひとつの象徴である「京町家」を新しい形で次世代に残していく活動に参画することは、地元京都を愛し、街づくりに直接携わるわれわれ全中建京都にとって、その意義は大変深いものであると考えています。