中小企業の窮状打開策を要望へ

24年度公共事業予算の増額など
通常理事会

23年度第4回の通常理事会が10月12日午後1時30分から、東京・大手町の朝日生命大手町ビルに、国土交通省土地・建設産業局建設業課の長橋和久入札制度企画指導室長を招いて開催された。(1)最近の諸情勢(2)危機的状況にある中小建設業者の窮状打開に関する要望案(3)平成24年度税制改正に関する要望について協議するとともに、各種会議、各委員会の活動報告を行った。中小業者の窮状打開を図るため、平成24年度公共事業予算の増額など4項目の要望を国等に行うことを決めた。

同日は冒頭に岡本弘会長が「6月の総会とその後に開催された理事会で私が会長に再任された。これから2年間、皆さんの協力をいただきながら頑張っていきたい」と挨拶。午前中に正副会長が、官房副長官に就任した前国交省事務次官の竹歳誠氏を表敬訪問したことを報告した。

つづいて、国交省の長橋室長が「最近の諸情勢」について講演した。

同室長は最近の動きとして、「建設産業の再生と発展のための方策2011」の策定(6月23日)、公共工事の入札・契約適正化指針の改正(8月9日)、総務、国交両省が行った地方公共団体に対する入札適正化法に基づく要請(8月25日)、国交省の第3次補正予算要求主要事項と平成24年度予算概算要求、23年度公共事業予算の5%留保の解除などに言及した。

再生方策2011については、地域建設業の減少、小規模化が進んでいること、自治体も地域維持事業に将来的な懸念を持っていることを踏まえて、地域維持型契約方式の活用に向けて中央建設業審議会と社会資本整備審議会産業分科会建設部会のもとに設置された合同小委員会で9月30日から検討が開始されたことと、主な論点が紹介された。

論点としては地域維持事業の種類・規模、地域維持事業の実施を目的としたJVの構成員数とその組み合わせ、JVにおける技術者要件のあり方が取り上げられているという(関連2、4面)。

この説明に対して理事から「地域維持のための事業なら指名競争入札で発注してもよいのではないか」との質問が出されたが、同室長は「競争性確保という観点もあり、難しいところがある」と答えた。

このあと議事に移り、危機的状況にある中小建設業者の窮状打開に関する要望について、宮崎専務が要望案を説明、要望案を了承するとともに、国や全国知事会、市長会、町村長会へ提出することを決めた。

要望事項は(1)23年度第3次補正予算の早期編成(2)24年度公共事業予算の増額(3)国等の契約方針に沿った中小企業者の受注機会増大措置の確実な実施(4)予定価格の事前公表の廃止や最低制限価格等の基準価格引き上げの周知徹底の4項目。

つづいて、各種会議報告については、中央建設業審議会、中小企業政策審議会の委員を務める小野徹副会長から両審議会に関連する動きについて報告があった。

その中で同副会長は「全中建が求めていた一定規模以下工事での指名競争入札の復活は、再生方策2011の中に見当たらないが、再生方策に盛り込まれた事項が県のビジョンに取り入れられたように、内容は評価してよいと思う」と語った。

また、22年度の官公需の中小企業向け契約実績が目標率を3.8ポイント下回ったことについて同副会長は「なぜこのような結果になったか確かめたい。契約率がアップするように努力したい」と述べた。

委員会の活動報告では、建築委員会の前田委員長が10月4日に住宅瑕疵担保履行法の運用改善について国交省に要望したことを報告した。この要望は委員会が実施したアンケート調査を整理してまとめたもので、国交省には(1)制度の適用については消費者(施主)の選択に任せる(2)営業用建築物の請負契約には適用しない(3)保険料を安くする(4)保険契約の手続きを簡素化する(5)保険事故が発生した場合の免責額をなくすなど9項目を提出した。

土木委員会の宮本委員長は、下水道工事における人力削孔の調査結果を踏まえて、国交省下水道部と下水道協会に対して「設計積算要領」改訂を要望したことを報告するとともに、同要領の2年後の改訂に備えるため、引きつづき実態調査を実施するとして、調査への協力を要請した。