地域維持型JV導入へ

長橋室長が検討の方向案を語る
土木委

平成23年度第1回目の土木委員会は、9月30日、東京・八重洲の八重洲富士屋ホテルで開催され、国土交通省土地・建設産業局建設業課の長橋和久入札制度企画指導室長が「建設業をめぐる最近の動き」について講演したあと、国土交通省下水道部への要望、下水道意見交換会へ提出する要望事項などについて検討した。

長橋室長は、地域維持型契約方式の活用を中心に「建設産業の再生と発展のための方策2011」(再生方策)を説明した。

再生方策では、地域維持事業の担い手を確保するため一括発注や複数年契約、地域建設企業による共同企業体の結成を打ち出しているが、同室長は「使える制度をつくりたいので意見を聞かせてほしい」とした上で、地域維持型JVに関する検討の方向案について次のように説明した。

この制度は、地域の維持管理に不可欠な業務の実施体制を継続的、安定的に確保することを目的としている。対象となる業務は「社会資本の維持修繕工事のうち、災害応急対応、除雪、パトロールなど地域事情に精通した建設企業が当該地域において持続的に実施する必要がある事業」で、工事規模は一定の地域精通度が確保できる範囲としている。

構成員の数は2~10社程度とし、出資比率は業務実施量などを考慮して柔軟に設定する。構成員には、総合的な企画・調整・管理ができる企業を少なくとも1社を含み、そのうちの最上位等級の企業が代表者となる。

構成員の資格は、対応する許可業種の営業年数が少なくとも数年あり、原則として元請としての施工実績を有すること。構成員による主任技術者の専任は不要とする。単体とJVとの同時登録を可能とした。

このあと、意見交換が行われ、宮本委員長は「災害や除雪対応で待機していても、実際に出動しないと費用を負担してもらえず、サービスになっている。サービスが他の工事などで報われるのであればいいが、一般競争入札のため、他地域の業者が参加して仕事をとっていく。他地域の業者が参加できないようにしてほしい」「待機費用を負担する仕組みも考えてほしい」と要請した。

長橋室長は「待機費用を負担しているところもある。事例集を策定したい」と述べた。

つづいて、宮本委員長が8月8日に国交省の岡久下水道部長へ提出した人力削孔に関する要望の内容とその後の動きについて報告した。

要望の内容は、下水道の取付管工事において側溝やブロック塀などの構造物がある場合は「人力削孔」方式による穴掘りとなり、その経費がかさみ、採算悪化の大きな要因になっているとして、委員会で調査した結果を「設計積算要領」に反映し、積算の改善を図るとともに、市町村の担当者が利用しやすい設計指針を作成してほしいというものである。

委員会でまとめた調査結果によると、延長が3m以上の工事の場合は、掘削に5時間14分、埋め戻しに2時間11分かかっている。

委員長は「下水道部は、設計積算要領に反映させる方法を検討すると語り、理解してもらった。要領を検討している下水道協会にもお願いした。要領の改訂は2年後となるが、詰めたいと語っていた」と述べた。委員会としては2年後の設計積算要領の改訂に向けてさらにデータを収集することとし、協力を要請した。

委員会委員は次の通り。

委員長・宮本武蔵(三重)、委員・下舘幸治(八戸)、向井田岳(岩手)、菊池三紀男(栃木)、鳥越雅人(東京)、土方康志(北多摩)、福島圭一(神奈川)、山口浩(横浜)、長谷川智彦(静岡)、伊藤誠(愛知)、山本厚(福井)、三原金一(大阪)、佐々木弘(広島)、嶋﨑勝昭(高知)、西原寛昭(福岡