震災復旧・復興リポート

支払い滞るがれき撤去費
2000人上回る避難者、580万㌧のがれき

全中建岩手

東日本大震災の発災から5カ月、岩手県災害対策本部(8月10日現在)がまとめた県内の死者は4632人、行方不明者2045人で、避難所と在宅を合わせた避難者(8月4日現在)は2152人になっています。

県内の避難者は、前月より約6000人減っていますが、まだ、1580人が14市町村104カ所の避難所で暮らし、572人が在宅避難を続けています。

公共施設などに設置していた避難所も、釜石市、宮古市が8月10日、陸前高田市が8月12日をもって閉鎖されており、9月上旬までに全てが閉鎖される見通しです。

一方、県は8月11日、東日本大震災の応急対応を担う県災害対策本部を廃止、総合防災室内に事務レベルによる県災害対応連絡調整本部を設け、事務を引き継いでいます。

仮設住宅は、県が入居希望件数をもとに必要戸数を決定、不足が生じないよう、申し込み件数より約1割多い1万3983戸を建設、8月11日に全てが完成し、予定者の入居を25日までに終える予定です。

一方、被災者が入居する民間の賃貸住宅を自治体が借り上げ、国と自治体で家賃を負担する「みなし仮設住宅」の契約の申し込みが増えていることから、県では、当初の200戸から2000戸を、さらに1500~2000戸を増やす必要があるとしています。

初期に整備されたプレハブ住宅は構造が比較的単純で、早く大量に供給できる利点がありましたが、隙間やゆがみが生じやすいことから、苦情が相次ぎました。

今後は応急仮設住宅の団地環境の改善に取り組む方針であり、入居者の希望によりスロープや手すりの設置、畳敷きへの変更、鉄骨の柱が見えているタイプの住宅については9月までに外断熱工事などを行うほか、未舗装の団地については、10月までに団地内の舗装を計画しています。

岩手県のがれき量は、県の一般廃棄物12年分の約580万トンに上り、実行計画では来年3月をめどに仮置き場へのがれきの移動、処理については平成25年度末と設定しています。

試算では、1日当たりの可燃物処理1143トンのうち、県内現存施設で扱うのは655トン、整備を検討している仮設焼却炉は195トン、残る293トンは県外処理としています。

市町村が行うがれき撤去の費用は、市町村の財政規模に比べ大きくなるほど補助率を引き上げる仕組みとしていますが、8月12日、被災自治体の要請に基づき国が代行できることを定める特別措置法を決めたほか、費用の国庫補助率を最大90%から平均95%に引き上げることになりました。

しかし、環境省によると1次補正で計上したがれき費用3519億円のうち、8月2日までに使われるお金は約20%にとどまるとしています。

これは、被災基礎自治体へのがれき処理費用の概算払い条件になっている「災害報告書」が7月までに提出している市町村が20団体(全国9県148団体)にとどまっているためとしています。

がれき撤去している会員の一部からは、がれき撤去費用の支払いがスムーズではなく、必要な労務費を(発注者から支払われるまでの間)企業が肩代わりしている状況で経営的に厳しいとの声が上がっています。

環境省において推計したがれきの撤去率は8月15日現在、県全体で86%となっており、急ピッチで進んでいます。

県は東日本大震災からの再興の設計図となる復興計画を8月11日に正式に決め、復興と自立への取り組みを本格化することとなりました。

県復興計画は、基礎復興期3年、本格復興期3年、さらなる展開への連結期2年の計8年間の計画としており、復興方針を示す基本計画と事業内容を盛り込む実施計画とで構成されています。

県は今回の実施計画をもとに国に予算要望を行う方針で、復興に向けた動きを加速させたいとしています。

被災地をめぐる状況は以上のとおりですが、協会員(各企業)は、引き続き早期復旧・復興のため総力を挙げて取り組んでまいる所存です。