全中建茨城 支部長 佐々木 勇

復旧活動に住民から感謝の声

東日本大震災で茨城県内も震度6強を観測、大被害に見舞われた。地震や津波によって45人が亡くなり(県まとめ)、住宅被害も太平洋岸を中心に全壊1588棟、半壊8889棟を数える。停電、断水も長期間にわたった。

公共施設でも、国土交通省所管施設で河川堤防の亀裂などが数100カ所、直轄国道でも路面崩壊などが発生。港湾でも岸壁破損、浸水、湾内のがれきなどの漂流・散乱、沈下が見られた。

県や市町村管理施設でも、公共土木施設は5月2日現在の災害復旧申請段階で、県施設が904カ所、被害額629億円、市町村施設が1905カ所、被害額489億円となっている。

こういう状況の中、本会(岡部英男会長)では、国土交通省や県と結んでいる「災害時の応急対策協定」に基づき応急復旧活動に迅速に取り組んだ。

大地震発生を受け、本部に災害対策本部を設置し、情報収集や連絡調整を実施。会員企業は、国交省事務所の要請により応急復旧工事に着手した。そのうち常陸河川国道事務所管内では、緊急点検の後、河川18カ所、道路8カ所で緊急復旧工事を実施。河川では本会会員の15社が、道路も会員7社を含む8社が作業を行った。

本会の12支部でも、茨城県土木(工事)事務所から次々と要請を受けて応急復旧作業に着手。地震当日から体制を整え、事務所長と支部長が協議し、道路や河川などで、パトロールやバリケード設置、陥没や段差解消、構造物の修繕・撤去などの仮復旧に取り組んだ。

これら以外にも、停電しているため避難場所に発電機を持ち込んだり、福島第一原子力発電所の事故に伴い、放射線測定のための灯光器を提供した県北地区の会員企業もあった。県下水道事務所からの要請で散水車を手配した会員企業もあった。

地震発生直後は携帯電話がつながらないため、連絡が思うにまかせず、重機を動かすガソリンが手に入らない事態にも直面。支部長などがかけ合って燃料を確保し、応急復旧工事を進めた。

自社ビルや現場などが被災した会員企業も多かった。そんな中でも「県民の安全・安心を守るため、さらに地域建設業の大事な役割として、とにかく動き回った」会員が多かった。自宅が被害に遭ったにもかかわらず、会社に泊り込みで応急作業に従事した作業員もいた。

今回の応急復旧作業について岡部英男会長は「12支部とも本当に、よく頑張っていただいた。地域に密着する建設業協会として、大きく地元に貢献できた」と称える。

橋本昌県知事も「建設業協会の方のご尽力があったおかげで日常生活を取り戻すことができた。大変にありがたい」と感謝の意を表す。県では、今回の応急復旧活動に取り組んだ本会の会員について、入札参加資格の主観点数を10点加点することを決めた。

また、これまで建設業に厳しい視線を向けていた住民からも、迅速な復旧活動に感謝の声が挙がり、改めて地元の建設業のありがたさを感じたという声もあった。

応急復旧作業以外にも本会では、原発事故による風評被害に苦しむ県内の農業や漁業を支援するため「風評に負けるな!茨城の心で愛の手を」と題したプロジェクトを開始。会員企業が茨城農業会議やJAから野菜や果物を購入し「地産・地消」に貢献する取り組みを進めており、多くの申し込みがきている。