【寄稿】自転車インフラ・施設整備を急げ!

(社)鹿児島県建築協会青年部会長 吉満 祐市

東京では東日本大震災による帰宅難民や停電などによる交通機関の混乱で、自転車通勤する人が急激に増加したと言われています。

先日のNHK「クローズアップ現代」では、都市部の自転車人口の急増による事故の増加等を、自転車空間の整備の遅れと位置付け、警鐘を鳴らしています。

番組では自転車先進国であるオランダ、イギリス、ドイツなどの例を挙げ、自転車レーン等を備えた都市の交通としての自転車の利用が、渋滞緩和や温暖化ガス削減に効果を発揮しているとし、利用者の生活習慣病の改善により医療費の大幅な削減にも繋がっているとも伝えています。

私はスポーツ自転車(ロードバイク)を趣味としているので、その効果を理解しているうちの1人です。

ロードバイクでは平路で速度30~40キロくらい出ますし、ハンドルがバータイプのクロスバイクと呼ばれる自転車でも概ね1時間で20キロを走行してしまいます。

いわゆるママチャリと呼ばれる自転車においても、変速機能を持ち坂道も登れるタイプや電動アシストが付いているタイプも増えてきていて、操作性も向上しています。

多くの方々が自転車を利用しようと考えておられることは、今の日本で大きな社会現象となっていくものと理解されます。

また、各企業や事業所が今まで以上に駐輪場を確保し、シャワー室、更衣室を設置するなど、従業員への対応を行い、自転車通勤による健康増進が図れる仕組みを模索されていくことは、間違いないことと思われます。

しかしながら、日本においては自転車が通行するインフラの整備が遅れています。都市交通や都市間交通に自転車を利用する環境がほとんど出来ていません。長らく自転車を徒歩の延長として歩道を通行させていた交通政策が、その混乱を招いているのです。

さらには、公共の場所での駐輪場整備や管理者配置等はまだまだ進んでおらず、定期的に放置自転車対策を行わなければならない現状が続いています。
 一部試験的に自転車レーンを整備していることは報道で目にしますが、歩道を改良したものが多く、車道側における自転車レーン整備等の抜本的な対策に取り組みを急がなければ、さらなる混乱と事故の増加は避けられないと思います。

一方、韓国では1995年に制定された「自転車利用活性化法」において、自転車レーンの整備や街中での一時駐輪や駐輪場の整備、不法放置自転車の対策や罰則強化等を推進しており、法制化することで関係する各社会問題を解決しようとしています。

これら韓国の自転車利用推進策は、大統領が率先してメディアでの啓発活動を行っていることでも拍車がかかっていると思えます。

このように、先進国ではエネルギー事情や環境・医療対策等を考え、自転車の活用を進めるために、国をあげてインフラ整備や設備の見直しを行ってきています。

私たち日本においても公共事業を行っている者たちは、一刻も早く世界の時事や潮流を理解して、将来を見据えたインフラ・施設整備を早急にやるべきだと考えます。

予算云々の問題だけで放っておくことは、世界に遅れをとってしまうことになるのではないでしょうか。