東日本地震の被災を踏まえ 工事の一時中止が可能に

復旧事業の概算前払い、被災工事の出来高払いも
国交省

国土交通省は3月15日、東日本地震の被災地の工事を一時中止にできるようにしたほか、当面の災害応急対策を優先的に実施するため、発注済みの工事を一時中止できるようにする事務連絡を北海道開発局と各地方整備局、沖縄総合開発局に送付した。

工事の一時中止について
工事の中止命令は、工事請負契約書と土木設計業務等委託契約書に基づいて実施する。工事契約書第29条第1項で、天災などにより工事目的物などに損害が生じ、工事現場の状態が変動したため、受注者が施工できないと認められるときは、発注者が受注者に工事の一時中止を命令しなければならないとし、東日本地震による災害で施工できなくなった工事について、発注者が工事一時中止を命令するようにした。

また、当面の災害応急対策には建設機械、資機材の調達や技術者の確保など建設会社の協力が必要であることから、施工中の工事が被災していない場合も、工事契約書第20条第2項の「発注者が必要があると認めるときは、工事中止を命令できる」との条項を適用する。

復旧事業の概算前払いについて
国土交通省は、緊急復旧事業の前払金、中間前払金を概算で支払える手続き手法を各地方整備局に送付し、各都道府県、政令市に要請した。実施中の工事、業務を止めて応援に駆けつけられるようにし、応援中の施工者の資金繰りが困難にならないようにする。前金払の手続きを簡素化するのは過去の災害でも例がないという。

緊急復旧事業の前払金、中間前払金の支払い手続きは、復旧事業に従事する建設会社が前金払いを希望すれば、請負契約書の締結が後日になっても「概算」の見積もり金額で前払金を支払うよう都道府県・政令市に求めた。保証事業会社には必要な保証引き受けが可能となるよう求めた。

概算見積もり額で前払金を支払う場合、概算見積額、前払金額、工事名、請負契約日、工期が確認できる書類を発注者が交付する。前払金には保証事業会社による保証が必要となるが、保証契約の締結や前金払いを迅速化、弾力化するため、受注者が発注者に提出する前払金保証証書の写しを保証事業会社から発注者にファクスで送ることで認める方法を示した。

被災工事の出来高払いについて
出来高支払いや不可抗力の損害確認の手続きを簡素化し、被災で平成22年度に工事を完成できない場合、完成部分の出来高支払い、または23年度での一括支払いのいずれかを選択できる。

被災前には施工中だった直轄工事については、受注者から提出される被災前の工事出来形内訳書と実施工程表付き工事履行報告書で確認できるようにする。業務については、業務計画書や履行状況などの資料で確認する。

地震によって工事中の構造物などが破損した場合には、工事請負契約書第29条(不可抗力による損害)で対応し、損害の状況確認は、施工計画書、実施工程表、損害の状況写真で認める。