地域建設業の再生方策

国交省が基本方針で示す
地域維持型契約の導入など

国土交通省は1月6日、建設産業の再生と発展のための方策に関する当面の基本方針をまとめ、公表した。地域社会の維持に不可欠な建設企業の再生を一番目に掲げており、地域建設企業の継続可能にする方策を講じるとしている。そのための建設業法等の改正、地域維持型契約方式の導入などの具体策を、2011年度から実施するものについては、3月までにまとめ、全体の方策については6月に取りまとめる。

この基本方針は、馬淵前国交大臣の指示で設置された建設産業戦略会議(座長・大森文彦東洋大学法学部教授)が、昨年の12月以降、精力的に検討作業を行い、検討結果として提示したものである。

早急に結論を求めた馬淵前大臣の要請を受け、とりあえず基本方針のみを公表した。

方針では、はじめに「地域社会の維持に不可欠な建設企業の再生」を取り上げ、地域建設企業が担うことが望ましい事業については、従来にも増して地域建設企業に委ねるという観点からの見直しを行うことも含めて、地域建設企業の継続経営を可能にする方策を講じることが必要だとしている。検討すべき事項としては、①地域建設企業が担う事業の安定的な確保②ダンピング対策等についての地方公共団体等での実行の強化③透明性を確保した地域維持型の契約方式の導入④国等の支援による新事業発掘や事業化の促進、新分野進出支援――を示している。

2番目に掲げているのは「建設生産を支える技能・技術の承継の確保」で、社会保険未加入による経費削減等の不適正な競争状態を是正することなどにより、人を大切にする施工力のある企業による人材の確保・育成を、長期的かつ安定的に図ることが必要だと指摘。①保険未加入企業の排除②重層下請構造の是正と直接的・安定的に労働者を雇用する企業の重視③都道府県、関係省庁と連携したコンプライアンスの強化④技術者制度の見直しと技術者の育成支援――を検討すべき事項として挙げている。

3番目は、「大手・中堅企業による技術力・事業企画力の発揮」である。ここでは、国内の建設投資が限られる中で、大手・中堅建設業は高い技術力を活かして大規模工事、難易度の高い工事を担うとともに、海外市場や技術力・事業企画力が発揮できる新たな事業分野にも積極的に進出できるよう、支援することが必要だとしている。検討事項については①海外展開のためのリスク軽減策の導入等支援策の強化②CMの制度化等による新たな国内市場の創設、マネジメント力の強化③参加企業の絞り込みと企業の成長につながる技術力等を重視した契約方式の実施④民間発注工事等における建設企業の立場の強化――を示している。

最後の項目では「過剰供給構造の是正」を、市場の長期的な安定を確保するためには過剰供給構造の是正が避けて通れない課題だとして①優れた技能者や技術者を有した企業の育成と不良不適格業者の明確化とその排除②市場への参入要件③企業再編・転業・廃業時の支援――の検討を取り上げた。

これらの方針を実現するため、政策手段をフル動員する必要があるとし、建設業法等の改正、入札契約適正化法に基づく適正化指針の改正(閣議決定)、財政・金融上の支援措置等を行っていくべきだと指摘している。