地域建設業の現状

減少続く金融機関融資

建設経済研究所が10月に公表した建設経済レートでは、地域の建設業・建設企業の現状を明らかにしているが、それによると建設業に対する金融機関の融資は、ここ10年ほど減少を続けている。

地域の現状のうち、地域別の工事の元請受注額については、公共工事が、沖縄、四国、九州などで地方自治体の伸びもあって7月までは前年度を上回っているが、甲信越、東海、東北などでは下回っている。公共事業施行対策地方協議会の2010年度工事費予算からは、前年度並みもしくは下回る地域が多く、後半には公共事業予算の減少による影響が全般に現れると指摘。民間工事の復調がみられる関東等を除く地域、特に公共工事への依存度が高い地方部において、かなりの影響が発生すると懸念している。
総合工事業の企業数については、全国的には1998年度以降一貫して減少傾向にある。地域別では、北海道、沖縄は1990年以降減少傾向にあり、四国や九州などでは2000年度台の初めまで増加した後、減少するなどの地域性がみられる。企業の減少には、廃業や建設工事を受注できなくなった企業の増加による影響が大きいと考えられ、そうした企業の存在を検討する必要があると分析している。
建設業に対する金融機関の融資は、金額ベースでも全産業に占める比率でも、ここ10年ほど減少の一途にあると指摘。地方銀行の貸出残高に関係するデータを通じてエリア別の傾向をみても、いずれの地域においても全体の貸出残高は漸増傾向にあるとしている。
このため、レポートでは、地域金融機関には、建設業向け融資の比率の高さが必ずしも貸出債権のリスクを招くわけではないことを踏まえつつ、建設企業の地域における必要性を把握し、それに配慮した上での融資が期待されると結んでいる。