「指定席」

『いのちの道』

高速道路の休日上限千円が導入されて以降、我々四国の人間は車で本州へ出かける機会が増えた。実際、私も車を利用して本四連絡橋を利用することが大幅に増えた。

高松を出て他県の高速道路を利用すると運転しやすい片側2車線以上の道路幅員に気づく。高松自動車道(東讃地区)は一部のゆずり車線を除き、現在は暫定2車線の対面通行である。

人口減少の時代に入った日本。少子高齢化により65歳以上のドライバーの割合は15%を超えている。彼らにとって2車線の高速道路は運転しづらい。対面通行による対向車との接触の危険や、制限速度オーバーで走る後続車の危険運転による不安があるからだ。

実際に死亡事故が数十件も起こっている。

事業仕分けでは事業廃止や事業費削減など、事業の効率化が追及されている。政府はマニフェストで将来的な高速道路無料化を掲げているが、その前に車が必需品になっているような地方の現実を正面から見据え、高齢化社会に対応した道路整備を優先して進めてもらいたい。

また昨年11月に、愛媛県久万高原町と高知県梼原町を結ぶ国道440号地方道路が全線開通した。走行距離は23.5キロから8.9キロに、走行時間は45分から11分に大幅短縮された。この冬、降雪などによる通行止めも解消されるという。

さらに救急医療体制も強化。これまで、西谷地区から久万高原町立病院まで48分かかっていたが、わずか22分で梼原町の国保梼原病院を利用できるようになった。まさに四国カルストを貫く命の道だ。

湧水により掘削工事が遅延し、2009年3月に一度事業が凍結された。その後、地元を中心に再開を求める動きが起き、同年6月に事業評価監視委員会で継続が妥当と示され、ようやく開通までたどり着いた。

費用対効果だけの優先順位では、地域の格差はさらに拡大する。つまり、通行料が多いとか少ないとかの問題ではない。たった一つの命を守るため、通らなければならない可能性がある限り、通さなければならないのだ。それが命の道だと思う。

詳しい事情を良く知らないファッションモデルのようなことをする女性大臣が、簡単に事業をバッサリ切ってしまうのは、命を切ってしまう事と同じだと思う。皆さんはどう思われるだろうか。
(香川県M・S)