若手経営者が思うこと

しっかりしてくれ〝地方分権〟
全中建広島県支部加藤修司

最近、テレビでは〝地方分権〟を叫ぶ〝地方政治家〟のみなさんがお茶の間を賑わしています。彼らは、「地域に予算と権限を渡せば、地域住民の生活はばら色になる」と吹聴します。テレビのコメンテーターは〝地方分権論者〟は古い既得権を打破する〝改革論者〟だと囃し立てます。しかし私は、〝地方分権〟とはいったい誰に対しての権限委譲なのか?と疑問に思い、はたして、地方で事業を営む我々には彼らのいうところの〝権限〟はあるのでしょうか?とみなさんに問いたいのです。

若手建設業経営者の研修会等では、参加者から各県、あるいは各市町の入札制度についてそれぞれのおかれている状況や意見を交わすことがあります。そこで明らかにされるのは入札制度に対する地域間の差別的取り扱われ方です。

同じ日本のなかで〝公共事業〟という事業を行なっているにもかかわらず、事業を発注している地域行政間で入札制度に差をつけられているのです。私の所属する建設協会と中国地方整備局幹部の方々との意見交換会では決まって県、市への〝クレーム〟に近い要望で持ち切りです。「歩切りを止めさせてくれ」、「地元事業者に受注させてもらってくれ」、「ダンピング調査や営業所調査をもっとしっかりやってもらってくれ」とまるで地方自治体は〝無法地帯〟であるかのような意見がでてきます。私の町でも市長選で新人が勝つといきなり隣の町の業者が入札資格を得てダンピングまがいの金額で落札を繰り返しました。ところがその業者の本店のある隣町は、本店がその町に無ければ応札することができない入札制度をとっていたのです。これは地方自治体による営業妨害です。それではと、町との〝随意契約〟(なぜか手間のかかる、嫌な仕事は強制的な契約なのです)となっている市民の皆様への地域サービス業務は「辞退させていただきます」と申し出たら、すったもんだの挙句、我が町でも入札業者は市内本店に限定されました。

また、町中心部の三桁国道の管理を県が行なっていますが、その歩道は大勢の児童たちの通学路であり、老朽化した舗装のせいで、児童たちは雨のたびに車の跳水被害を被っていました。やっと舗装打ち換え工事が発注されたのですが、在来工法による施工でした。施工業者として排水性舗装への変更を提案しましたが、「県庁の許可がなければ変更できない」といって担当者は聞き入れません。県庁へお願いしてやっと4車線のうち外側2車線を排水性舗装で施工し跳水被害は軽減しました。地元の方々が喜んでいることをその担当者に伝えるとうつむいたまま無言だったそうです。

さあみなさん、それでも〝地方分権〟という甘美な言葉を信じますか?それならいっそのこと廃藩置県を改め、廃県置藩してみたらどうでしょうか?なにせ、徳川幕府は265年間も続いたのですから。