技術者問題中心に討議 若手経営者懇談会を開催

窮状打開の意見も交換

第22回の全中建若手経営者懇談会が11月17日、東京都千代田区のKKRホテル東京で開かれ、全国から集まった若手経営者46人が、これからの中小建設業界を背負っていく立場から意見を交換するとともに自社の経営のための情報収集を行った。

懇談会の冒頭、全中建の岡本弘会長があいさつに立ち「建設業界は大変厳しい状況に置かれており、先行きもさらに厳しい方向へと向かっている。しかし、若手の皆さんの頑張り次第で将来がある。この会が実りあるものとなるように願っている」と述べ、将来を託すべき若手経営者に対する期待をにじませた。

これを受けて全中建若手経営者懇談会の鳥越雅人座長が「10年前の建設業は29歳以下の人たちが21%を占めていたが、現在は12%まで落ち込んでいる。競争は激化し収益も減少する中、若手技術者がいなくなれば、建設業はつぶれてしまう」と、現状に対する厳しい見方を示し、懇談会の第2部で行われる『建設技術者の能力開発と支援』をテーマとするパネルディスカッションでの真剣な討議を要請した。

続いて国土交通省総合政策局の谷脇暁建設業課長の「建設業を取り巻く最近の諸情勢」と題する講演が行われた。

谷脇課長は、はじめに「この後行われるパネルディスカッションのテーマの建設技術者の能力開発と支援は、国交省でも大変重要だと考えています」とし、パネルディスカッションの議論に期待感を示して、講演に入った。課長は、まず建設業の倒産件数が減っているとし、色々と対策を講じているのが効果をあげていると指摘した。ついで補正予算、来年度概算要求を説明した後、最近の取組として、地方公共団体の入札制度改革状況、経審の改正、標準請負契約約款の改正などについて解説した。


パネルディスカッション

谷脇課長の講演終了後、休憩をはさんで2部のパネルディスカッションとなった。コーディネーターである東洋大学理工学部の浦江真人准教授が、パネラーである国交省建設業課の蓮見有敏建設技術企画官、㈱コンテック代表取締役の松村力氏、細沼順人氏(東京)、川合克昌氏(愛知)、加藤修司氏(広島)の5氏を紹介、各氏から自己紹介を兼ねた発言を求めた。

蓮見企画官は、国交省では現場も経験しているとし「技術者のレベル向上は、長期的テーマであるが重要な課題」と述べ、国交省が重要視しているとの考えを示した。現場技術者の派遣の仕事も行っている松村氏は「新卒を採用し、育てながら技術者を派遣している。すべて正社員として雇用している。最近考えているのがタテヨコの多能工で、言ってみれば大卒職人」と、設計もできれば、大工、クロス貼りもできる人材を育てようとしている方針を明らかにした。

細沼氏は「新卒者の歩どまりが悪いので、自助努力で採用も教育訓練もやっていかなければならない」と、企業努力の大切さを指摘した。川合氏は「監督もやり鉄筋も組む社員が数名いて、60歳台でまだ働いてもらっているが、採用した若い人の定着率が悪い」と述べ、加藤氏も「若い人が社内にいないので、西日本の大学を回って採用に歩いている」と、若年技術者不足の現状を説明した。

この後、浦江氏の司会で、建設技術者問題をテーマに討論が進められ、懇談会終了したあとには懇親会も催された。